遠く、海の果てに浮かぶ島国。青の真中山(エィレスィルアトゥア)がある本島とイドゥリ火山島、二つの島からなる。光の民(シスルア)を要とし、補佐に魔導師、加えて、八つの仕事人の長が、国の中枢を担う。

もともと、エイネーアベドが遊び暮らしていたが、遠方の地デイゴンネーから逃れてきた光の民エイネンナムが島にたどりつき、統治を開始した。エイネンナムは、島に永く住み着いていた魔法動物たちを次々と配下におき、初代女王として君臨した。魔法動物たちは〈主(あるじ)〉と呼ばれ、アベドの守り主となることを条件に、島を住処とすることを許された。

〈主〉は、八つの仕事人の象徴とされる。仕事人はそれぞれ、魔導師、師の人、自然の人、獣の人、狩の人、つくりの人、薬の人、商の人と呼ばれ、これに子どもアベドである見習いを加えた九つの分類が、エイネー国には存在する。見習いは、卒業後に仕事人へ昇格するが、この分類は影の人が行う。なお、影の人はアベドとは認識されていないため、仕事人には含まれていない。

ヌエル寒流とワーマ暖流が交わる比較的穏やかな気候の島で、豊かな海産物や、質のいい木材からなる繊細な工芸品を特産としている。しかし、島を放射状に走る五つの山地により農耕には向かず、食料自給を補うため、デイゴンネーで狩りを行っている。デイゴンネーでは、しばしば遺物が見つかることもあり、影では収入源にしたりしているのだとか。