エイネー南東に位置する火山島。炎の時代と呼ばれる、エイネー歴300年代にできあがった。338年に海底噴火が起こり、あまりの噴煙から〈天守り(グロナーシュ)〉は住処であるエイネー上空を離れかけたという。噴火は1~3年おきに発生し、ときに火柱や雷をみせながら、流れ出る溶岩で、どんどん大きくなっていった。
350年ごろになると活動は落ち着いたが、それでも5~10年おきに噴火した。エイネーでは火山灰による不作や健康被害があいつぎ、餓死者も出た。赤々と燃え、いびきをかくように煙を吐き出す様子から、赤竜(イドゥリ)という名前が付いたという。
初上陸は389年の話で、噴火の頻度が少なくなった当時、上空調査のため竜に乗った獣の人が、アベドらしき姿を見たという報告をし、「イドゥリ火山島幽霊事件」として、魔導師も交えた徹底的な調査が行われた。イドゥリ火山島探検隊を指揮したのは、イェーリアナアという魔導師で、彼女は、毒ガス、火山灰、冷えて固まった溶岩、熱風に、何度も行く手を阻まれ、作戦を立て直しながら、ついに、393年、イドゥリ火山島の中心部に到達した。そこには、土食らいを火であぶって食べるアベドの姿があったという。これは、イドゥリ火山島生まれのアベドが、エイネーアベドと接触した一番古い記録として残されている。
イドゥリ火山島から生成されるアベドの卵は、溶岩石に似ており、〈卵取り〉は十分な見極めを行って回収している。多くは山の麓で生成されるが、稀に火山口近くで発見されることもあり、その際は〈卵掬い〉と呼ばれる、球形の挟み道具で回収される。
イドゥリ火山島生まれのアベドは、好戦的・外交的な性格をもつと言われている。赤、金、茶、黒などの髪色が多い。