短編集
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〈冒頭〉あなたの目の中に、木漏れ日が見える。奥の方で蝶が飛んでいる。あなたは、私を抱え上げ、戦の影を背後に隠す。おかえり。小さな犬が言う……
〈冒頭〉その家は、海の上にあった。赤い屋根の、小さな家。白い窓枠が一階と二階に小ぢんまりとついていて、車二台は停められそうな庭があり……
〈冒頭〉私の傍に左手がいる。くすんだ水色。布団のそばを徘徊している。手首には桃色のビーズのブレスレットを……
〈冒頭〉東の海岸で、老人が一人座っている。肌は青みがかった灰色。彼は、岩の一つに腰かけ、海とは反対の方を向いて……
〈冒頭〉オレンジ色の毛を生やした一つ目の巨人は、老人の禿げ頭にぐるぐると包帯を巻いた。……
〈冒頭〉僕らは知っていたんだ そこへ牛が通るって でもあいつら、いっさい僕の話を聞いちゃいなくて……
〈冒頭〉秋のある晴れた日のことだった。僕は、特に背中の痛みのことを気にしていなかった。時に、僕の背中は、雷が下から上へ走ったかのように痛む。けれど、その日は違った……
〈冒頭〉「髪型を変えたの」隣を歩くリスは、そう言って前髪を少し触った。私は、それほど彼女の変化に気がつかなかった。むしろ、彼女がひたすらにつま先を見つめていることが気になっていた。
●十の住人(中編小説。縦書きPDFで読むことができます)
〈あらすじ〉……とある広場を囲む、十の扉。そこには、十人の住人が暮らしているが、中でも「黒」という男が、どうもおかしい。「黒」は、それぞれの部屋の扉を叩いてきて……。
他、随時更新予定。